99回目の髭ロマンス

Farewell Song

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 その夜マスターが自慢のレコード棚から取り出してきたのは、ジェリー・ジェフ・ウォーカーのA面「Mr.Bojangles」の珍しいドーナツ盤。
正直、ジェリー・ジェフのバージョンはあまり好みではなかったが、やさしいアナログの音とマスターの精一杯の笑顔にこれもそんなに悪くないなと思い直した。
「ねぇ、一杯おごるからいつもみたいに楽しいそうに踊ってみせてよ」と思ったがさすがに口に出すことはできなかった。

お互いそれほど口数の多いほうではなかったので知り合って二十数年ゆっくりと会話した記憶はほぼない。そのかわり沢山の音楽に一緒に耳をかたむけた。
お客さんが少なくなると、「アラキくん、これは知ってる?」と自慢げな笑みをうかべながらレコード棚を物色しはじめる。
そのちいさな背中を眺めながら酒を飲む時間が好きだった。

僕の音楽活動にも興味をもってくれ、そしていつも気にかけてくれていた。

ありがとう、彼に最高のフェアウェル・ソングを届けたい。
















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# by Lemohige | 2018-10-13 21:30

恋は桃色

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1973年の「HOSONO HOUSE」に収録たれた曲。独特なコンプサウンドとリラックスした演奏、そして細野さんの心地よい低い声が混ざりあう名曲。
なにより、まるでひとつの文芸作品のような詞が素晴らしい。
各段落がそれぞれ単独でも成り立つ俳句的美しさをもち、そのどこをとってもそれ自体がまるで映画の名セリフのようだ。
「~かな」「~色」と定石の韻で全体がひとつにまとめられている。

「ここがどこなのかどうでもいいことさ どうやって来たのか忘れられるかな」

いきなりのホーボーソング風な導入部からぐっと曲の世界に引きずりこまれてしまう。
そして僕がいちばん好きなのはこの段落。

「お前の中で雨が降れば ぼくは傘を閉じて濡れていけるかな」

細野さんの声でこれを言われたら大抵の女性は落ちてしまうだろう。
色々な解釈ができるだろうが僕的な解釈はこんな感じ。
「お前」は今、悲しみのどん底にいる。それがどんな種類の悲しみかはわからない。「僕」が解決してあげられる悲しみかもしれないし、人の力ではどうすることもできない類いの悲しみかもしれない。選択肢は三つ。「お前」に傘を差し出す、一緒に傘に入る、一緒に濡れてゆく。それがどんな種類の悲しみにせよ「僕」が選ぶのは傘を閉じて一緒に濡れること。励ますでも優しい言葉をかけるでもなく、ただ黙って「お前」のそばにいる。ある意味、若さゆえの不器用な選択だ。そして厄介なことにその選択に自信をもてないでいる。
「HOSONO HOUSE」から38年後のアルバム「HoSoNoVa」に収録された「悲しみのラッキースター」ではこのように歌われている。

「この日から君はラッキースター 雨の中どこに行こう 靴を履き 傘をさせば 木も街も輝く」

あれ?そう、傘をさしてます。
この潔さ。人生を重ねると人は器用になる。この世界には人の力ではどうすることもできない悲しみがあることも知っているし、この雨をやり過ごせばまた新しい晴れ間がすぐにやってくることも知っている。
これは大人はズルいということとは少し違う。人間、歳をとれば必然的に人の力ではどうすることもできない悲しみ、たとえば死や天災などに直面することは多くなる。
その度に悲しみのどん底にハマっていたのでは身がもたない。最小限の被害で目の前の雨をただやり過ごせばよいのだ、そういうことを時間をかけて学んだだけのこと。まあ、その雨さえも楽しめるようになるには相応の人生経験は必要だろう。

 タイトル「恋は桃色」の「桃色」は時代系列と当時の細野さんのサウンド的嗜好からザ・バンドのビックピンクからのインスピレーションとみて間違いないだろう。さらに詞中の「闇へと突っ走る火の車」はウッドストックで隠遁生活をしていたディランとザ・バンドのセッションから生まれ、「Music From Big Pink」にも収録された曲「This Wheel 's on Fire」からの引用であろう。
この当時、細野さんがいかにウッドストックに傾倒していたかがよくわかる。
アメリカで多くのミュージシャンやアーティストが都心から離れ緑豊かな小さな田舎町、ウッドストックに移り住みのんびりと自分たちのペースで創作活動に没頭した。
細野さんもはっぴいえんど解散後、キャラメル・ママの活動を続けながら都心からそう離れていない狭山市稲荷山公園の米軍ハウスに移り住む。アルバムタイトルにもなった通称「HOSONO HOUSE」。ここで仲間と生活を共にし、気ままにセッションしながら完成させたのがアルバム「HOSONO HOUSE」だ。このアルバム全体を通して伝わってくる牧歌的でリラックスした感じはこの場所からでしか生まれなかっただろう。

最後に細野さん自身が「HOSONO HOUSE」について語ったインタビューを掲載して終わりにします。
「狭山に長くいるうちに幻想の世界に住んでいるというのがだんだんわかってきたんです。つまり、ヒッピー・ブームの中で、音楽的なブームとしてカントリーに移行していって、なんかわからないままコミューンみたいなのを作ってね、現実にはあり得ないようなアメリカ村みたいなとこに住んで、まわりにはミュージシャンとかアーティストが住んで、ニュー・ファミリーみたいなのを結成したりしてね。ほんわかした中で生活していたのが、だんだん崩壊しつつあったんですね。そういう不安感というのはありました。もう一度現実に戻って、都会に戻らなきゃいけないというのは」(細野晴臣インタビュー ENDLESS TALKING 筑摩書房)





2018.2.18(sun)
JIMI FESTIVAL vol.32
【場所】所沢航空記念公園
【時間】昼から日暮れまで
参加・観覧自由(雨天中止)
※毎月第四日曜日のジミフェス、今月は第三日曜の変則開催となります。



2018.2.24(sat)
Good Old Days Presents
SATURDAY LIVE SPECIAL vol.8
神楽坂MASH RECORDS
open13:30 start14:00 charge1000yen



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# by Lemohige | 2018-02-17 15:08

星屑ギター

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Great Speckled Bird
Hungry Chuck
Better Days
Geoff&Maria Muldaur...

わかる人はさすが、
そう、エイモス・ギャレットです。

今月のガイドブックはエイモス・ギャレットについて書きました。




2017.9.24(sun)
JIMI FESTIVAL vol.27
【場所】所沢航空記念公園(図書館裏)
【時間】昼から日暮れ
参加・観覧自由(雨天中止)














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# by Lemohige | 2017-09-16 09:40

Jimi Festival vol.24 【告知】

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一晩かけてようやく今月のガイドブックが完成。
いつもメインで書いてくれている斉藤氏からの原稿は届いていない。
さすがにネタ切れなのだろう。
時間もないし、やむなく今月は僕が書くことに。
細野&清志郎の「幸せハッピー」(2005)について書いた。
アルコールで少々熱くなってしまい、気がつけば音楽業界批判を長々と書いてしまった。
これではだめだと、明け方にはなんとか1ページに収まるサクッと読めるものにまとめた。

以前から文字が小さすぎて読みづらいという声があったので、今月号からはフォントサイズを大きくしました。
当然、原稿は短いものになってしまうのだが。
ことばで伝わらない部分はもちろん音楽で、あればいいと思う。



2017.6.25(sun)
JIMI FESTIVAL vol.24
【場所】所沢航空記念公園
【時間】昼から日暮れ
参加・観覧自由(雨天中止)













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# by Lemohige | 2017-06-17 07:40

六月のライブ

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今更ですが、今夜は福生チキンシャックですずなりと。
天気が良いので早めに出掛けて、横田基地の周りをぷらぷらしながらビール飲みます。

来週は夕方メロディで東高円寺シュワルツカッツ。
ナカヒラ君のマンスリーイベント『黒猫酒場』、ハンバーグ食べて赤ワイン飲みます。

第四日曜日はジミフェス、芝生の上で昼からビール飲みます。



2017.6.3(sat)
福生CHICKEN SHACK
open19:30 start20:00 charge2000yen(1drink付き)
新福浩一郎&すずなり 他



2017.6.10(sat)
東高円寺Schwrze Katze
杉並区梅里1−21−21
〜ナカヒラミキヒトの「黒猫酒場」其の参拾弐〜
【出演】
髙橋史明&夕方メロディ
ナカヒラミキヒト
【映像】
あくつまり
open19:00 start20:00 charge¥2000



2017.6.25(sun)
JIMI FESTIVAL vol.24
所沢航空記念公園
昼から日暮れまで (参加・観覧自由)
























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# by Lemohige | 2017-06-03 11:04

Jimi Festival vol.23 【告知】

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さて、週末の日曜日は毎月恒例のジミフェスvol.23。
なんだかんだで2年も続いた。
先日のオープンタップ・パーティーは過去最高となる11人編成での華やかなステージとなった。

歳を重ねると、それぞれ仕事や家庭その他もろもろの事情で思うように音楽活動ができなくなる。バンド形態を縮小せざるえなかったり、身軽なソロ活動に移行したり、または音楽活動をやめてしまったり。
そんな中でメンバーが自然増殖しながら続いていることはすごいことだ。

そもそもメンバーが固定していない「航空公園ジャグバンド」はバンドという枠組で音楽をやっていない。高田渡さんがいた武蔵野たんぽぽ団がそうであったように、そのときいる人でそのとき出来ることをやればいいというスタイル。
やめたい人を引き止めることもしないし、来る人を拒むこともしない。もちろん僕だってやめたくなったらやめる。


まあ、僕の場合は昼間の公園で堂々とビールを飲む口実があればいいだけなんだけど。
大人になると何かしら理由がないとなかなか若い時のように仲間が集まる機会もないしね。

もうひとつ、無機質な音楽スタジオと閉鎖的で暗いライブハウスでの長い音楽活動に嫌気がさしていた。そういうのはもういいかなと。その反動が公園での演奏。昼間の公園には老若男女色んな人がいる。ライブハウスに音楽を聴くことを目的に集まる人とはまったく別な人たち、そんな人たちが興味を持って近づいて来てくれるとやっぱりうれしい。
そして青空のしたでの演奏は楽しいということを知ってしまったのでこれからもしばらくは続けます。

このへんの話はまたガイドブックのほうで書きたいと思ってます。






2017.5.28 (sun)
JIMI FESTIVAL Vol.23
所沢航空記念公園
昼から日暮れまで (参加・観覧自由)

















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# by Lemohige | 2017-05-26 13:16

Nashville Skyline

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今宵まったく酔うことができず。
心地よい夜風にふかれながらステップをふんでみたのだがだめだった。
腰をおろし、店から漏れる笑い声や歌声を聴いていた。

ディランが僕の気持ちをすべて歌ってくれた、ありがとう。




2017.5.28 (sun)
JIMI FESTIVAL Vol.23
所沢航空記念公園
昼から日暮れまで (参加・観覧自由)















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# by Lemohige | 2017-05-21 12:14

五月のライブ

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古いエアメールの束。
高校卒業後、カヌー職人になると言ってひとり渡米したある男からの手紙。
いちおう親友ということにしておこう。
目を覆いたくなるような十代特有の青臭い台詞でうめつくされている三十年前の手紙を読み返しながら、ある重大なことを思い出してしまった。
あー、みぞみぞしてきた。

その男はなぜか今、カヌーではなく「野老ゴールデン」というビールを作っている。
昔も何を考えているのかよくわからなかったが、今も変わらずまったくよくわからない男だ。
とりあえず、カヌーではないが「職人」にはなれたようだ。
その男が作ったビールのオープンタップパーティとやらで演奏することになった。
その男からすれば、俺もまたよくわからない男なのだろう。
おそらくこの先ずっとお互いよくわからないまま死んで行く。
まあ、そういう友情もあるのです。


2017.5.14 (sun)
新所沢THE ROCK
【野老ゴールデン2017 OPEN TAP PARTY】
15:00〜18:00
charge 2500yen(ビール一本・おつまみ付き)
〖LIVE〗航空公園ジャグバンド(KKJB)/菊地のりよし&ザ・ヒューマンタッチ
〖FOOD〗熟成肉HOUSE

航空公園ジャグバンドは豪華11人編成!
紅一点、緑町のマリア・マルダーがついに登場!




2017.5.28 (sun)
JIMI FESTIVAL Vol.23
所沢航空記念公園
昼から日暮れまで (参加・観覧自由)















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# by Lemohige | 2017-05-13 02:44

三月のライブ

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ホームタウン、新所沢で久しぶりの夕方メロディ。
高橋君から送られてきたセットリストは、かるく20曲を越えている。
懐かしい曲から新しい曲まで。
精力的に弾き語りをこなす中で生まれた彼の曲からは真面目さと優しさが伝わってくる。
そこに不真面目な僕のフラットマンドリンとアバンギャルドな大内さんのクラリネットがぐにゃぐにゃに絡む。
まあ、楽しい夜になることでしょう。
お楽しみに!



2017.3.17 (fri)
新所沢Bar&Dining Quatre
松葉町3-1 明進ビル2F
open20:00 start21:00 (投げ銭)


2017.3.26 (sun)
JIMI FESTIVAL vol.21
場所・所沢航空記念公園
昼から日暮れまで 【参加・観覧自由】













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# by Lemohige | 2017-03-07 01:32

ディランの一枚を選ぶ

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「ディランの一番好きなアルバムは何?」つい先日、ある女子から突然につきつけられた難題。

「ジョン・ウェズリー・ハーディングかなあ。」たまたま頭に浮かんだアルバム名を答えてしまった。もちろん大好きなアルバムである。その女子は最近ディランのアルバムを一枚一枚聴き始めているという。果たして僕の答えはこれでよかったのだろうか?その日以来、もんもんとしながらディランのアルバムを聴いている。ちなみにその時居合わせたKKJBの青い一人は「追憶のハイウェイ61」と答えた。「確かにロック史的には重要なアルバムだよね!」僕はもっとも嫌悪する音楽ジャーナリスト的なつまらんコメントをしてしまった、まったく何様のつもりだと後悔とともに恥ずかしささえおぼえてしまう。


ディランのベストな一枚なんて簡単に選ぶことはできない。いや選べない。それでもあえて選ぶ、今回はそんなテーマです。そう、この女子の質問に対する模範解答を模索し、次の機会には自信を持って答えられるように準備しておこう。


以下、DJさるさ氏と僕の対談形式でお楽しみください。



アラキ:これまでに33枚のオリジナルアルバム、ブートレグシリーズがvol.12まで、さらにライブ盤、コンピレーション盤を加えると膨大な数のリリースがあるんだけど。とりあえず「作品」といえるオリジナルアルバムに絞りたいんだけど、どう?


さるさ:えー、ライブ盤だめですか!「ハードレイン」の混沌としたカオス感、ロック感が好きなんですよ。


アラキ:ローリングサンダーレビューね。俺も大好き。ライブ盤だと…他にザ・バンドとやってる「偉大なる復活」があるね。初期のベスト盤的な選曲だよね。あと武道館のやつもあったね。


さるさ:デッドとやってるのもありましたね。バンドによってディランの歌い方も違って聞こえます。


アラキ:ディランは色んな歌い方するよね。アルバム、時代ごとに違う「ボブディラン」を演じている。「ナッシュビル・スカイライン」のクルーナーヴォイスを初めて聞いたときは、えっ?と思ったよ。


さるさ:メロディも変わりますよね。


アラキ:そうそう、サビでやっとあの曲かとわかったりする。それもライブ盤の楽しみのひとつだね。ディランはひねくれてるからせっかくのいいメロディをちゃんと歌わないんだよ。


さるさ:「欲望」はどうですか。南欧、ヨーロッパ的な匂いとディランの歌の絡みが混沌としててロックですよね。ディランの作品の中では異質だと思いますが。


アラキ:スカーレット・リベラのジプシーフィドルとロブ・ストーナーのベースのグルーヴ、独特な雰囲気があるアルバムだね。「sara」とかメロディがエキゾチックでおもしろい。大好き!

あっ、「ロック」という言葉が出たけど、ロック論は今回はやりませんよ!


さるさ:えー、そこはディランを語るなら大事だと思うんですけど(笑)

フォーク、ブルース、カントリー、ジャズ、クルーナー系ポップス、それらの要素が混ざり合ってジャンルに括ることが出来ない独自の音楽、それがディランの音楽だと思います。それって僕の考える、僕の好きなロックなんですよね。精神論、すみません。


アラキ:うーん、長くなりそう…、紙面の都合上今回はかんべん。「ロック論」はまた今度ゆっくりと、他のメンバーも巻き込んでやろうよ。


さるさ:そうですね。ところでアラキさんはオリジナルアルバムは全部聴いてますか?


アラキ:実は「スロートレイン」以降のアルバムはちゃんと聴いてない。ちょうどディランかキリスト教に改宗したあたりかな。


さるさ:ゴスペルっぽくなりますよね。僕も80年代以降はあまり聴いてません。リアルタイムでMTVやラジオでこの辺りは耳にしているはずなんですけどね。


アラキ:なんかあまりひっかからなかった。80年代のサウンドが好みじゃなくて、まあ、ディランに限らずなんだけど。60年代、70年代のものを必死で集めて聴いてた。


さるさ:商業的にも80年代は苦戦してますね。「セルフポートレート」はどうです?絶対にジャケ買いしないアルバムですけど(笑)


アラキ:これと「プラネットウェーブス」のジャケは残念な感じだね。ジャケットのデザインは重要だよ。誰か止める人いなかったのかなあ。賛否両論あるマニア向け、スタジオ音源に混じってなぜかザ・バンドとのライブ音源もはいってる変なアルバム。


さるさ:60~70年のジャッケットのデザインはカッコいいですよね。顔のアップが多いですけど。


アラキ:こうして並べてみと面白いよ。「ナッシュビル・スカイライン」と「ハードレイン」同じ人とは思えない、何があった!?


さるさ:「ナッシュビル・スカイライン」はいい表情してますね!


アラキ:そういえば、みうらじゅん先生は自分の歳のアルバムを聴けと言ってるんだけど。


さるさ:僕らだと89年の「オー・マーシー」あたりになりますね。


アラキ:
だいぶ昔に聞いたきりだな、今度ちゃんと聴いてみるよ。
やっぱり今回は60年代、70年代から選ぶことになるのかな。「ブロンド・オン・ブロンド」なんてどう?サーカス、というかボードビルっぽい雰囲気で始まって「I Want You」「Just like a Woman」などの名曲もはいってるいいアルバムだと思うんだけど。


さるさ:実は高校から20代半ばまでディランよくわからなかったんですよ。でもこれを聴いてパァーと光が見えました。それからわかるようになりました。アラキさん、ファッション通信って観たことありますか?


アラキ:ちゃんとは観たことないけど知ってるよ。


さるさ:大内順子さんの語りと映像から、ファッションの自由さと高陽感を教えてもらいました。それってディランと繋がってます。その時聴いてたのが「追憶のハイウェイ61」と「ブロンド・オン・ブロンド」でした。うーん、僕の一枚は「追憶のハイウェイ61」ですね。


アラキ:やっぱり…。じゃあ俺は「地下室」にする。


さるさ:「ベースメントテープス」ですか。どうしてです?


アラキ:二枚組で曲がいっぱい入ってるでしょ、お得じゃん(笑)


さるさ:えっ、そんな理由ですか…。


アラキ:正規盤として出た「地下室」はロビー・ロバートソンの手が加えられていてちゃんとひとつの作品に仕上げられている。俺のなかではハリー・スミスのアンソロジー的な存在なんだ。俺の音楽のルーツなんだよね。やっぱり一番聴いたんじゃないかなあ。


さるさ:ディランもハリー・スミスはかなり聴いていたみたいですよね。KKJBもカバーしてる「You Ain’t Going Nowere」も収録されてましたね。


アラキ:そう、このセッションで他にも「Tear of Rage」などたくさんの名曲をディランは作っている。リラックスしたセッションで、カリスマロックスターのディランではなく素のディランが音楽を楽しんでいる気がする。ブートレグシリーズの完全版聴くと笑い声とかたくさんはいってるんだよね。


さるさ:それは何かきめてたんじゃないですか(笑)


アラキ:まあ、そういう時代だったからね(笑)

じゃあお互いの一枚が決まったところでぼちぼち締めましょうか。

さるさくんは「追憶のハイウェイ61」、僕は「地下室」明日には変わってるかもしれないけど…。といことでいいですか?


さるさ:僕は変わりませんよ、「追憶のハイウェイ61」この先もずっと!

じゃあどっか呑みいきましょうか。


アラキ:もちろん、行こう!


さるさ:あっ、「ナッシュビル・スカイライン」のカントリー・サウンドと滑らか歌唱のディランも気になります。疲れた時や眠る前に聴くと気持ち良さそうですね。


アラキ:はぁ……。もういいよ、行くぞ!



エピローグ

 75歳にしてついに栄誉ある「みうらじゅん賞」を受賞したボブ・ディラン。そんなこともあり、急遽開催することとなったさるさ氏との対談。テーマは「ボブ・ディランの一枚を選ぶ」にした。(ただ誰かとディランを聴きながら語りたかっただけ)「アルバム」にこだわったのは、音楽が切り売りされている昨今もう一度ひとつの作品である「アルバム」と向き合う楽しさを推奨したかったからである。

ジャケットデザイン、選曲、曲の配置、さらにはミキシングにマスタリング、そこには作り手の強い意思が存在している。想像力をもってそこに接すれば色々なものがみえてくる。そしてそのアーティストのことがもっと好きになるだろう。そうやって僕はディランを好きになったのだ。

【JIMI FESTIVAL vol.20 GUIDE BOOKより】





2017.2.26 (sun)
JIMI FESTIVAL vol.20
場所・所沢航空記念公園
昼より日暮れまで 【参加・観覧自由】



2017.2.27 (mon)
所沢音楽喫茶MOJO
ジャッキー&ザ・セドリックス/ハッチハッチェルオーケストラ
O.A 航空公園ジャグバンド(KKJB)
open 18:30 start19:00
予約3000yen 当日3500yen (ドリンク別、えびせん食べ放題)




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# by Lemohige | 2017-02-25 12:46

Life is a Carnival !!
by Lemohige
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